第9章 番外編 出会い
そう、本日は、柴咲第一高校の入学式。
俺も今日から高校生だ!
「お、修二おはよ」
近所に住む、
幼なじみの健太が声をかけてきた。
『おぉ、健太!おはよ~!』
ケ「偶然だな、
修二の高校も今日入学式だろ?」
『うん。そう!』
健太は、いつも冷静で物静か、
頭もいいから俺と違って
有名な進学校に進学した。
ケ「あ、お前、頭に桜の花びらついてるぞ?」
『え、まじかよ、取って(笑)』
ケ「うん」
俺は、頭を健太に向けた。
『取れた?』
ケ「・・・あぁ・・」
急に健太の声が沈んだ。
『え、どうした・・・?』
健太を見ると、花びらに視線を落とし、
ポツリと呟いた。
ケ「・・・お前の夢は叶わなかったな・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・』
俺は、中学の頃からの夢があった・・・
ケ「あ、ごめん・・・
そんな気を落とすなよ・・・?」
『・・・・あぁ・・・』
しかし、その夢は
叶うことはなかった・・・
『たださ・・・俺は
当然叶うものだって思ってたんだよ・・・』
ケ「・・・だよな・・・
お前、本当に信じてたもんな・・・」
『・・・・・あぁ・・・・・・・』
当たり前だと思ってた・・・
そうなることが、普通なのだと・・・