第6章 実行委員
何となく、顔を伏せる・・・
野蛮女の楽しそうな声が聞こえる・・・
聞きたくない・・・
「清玲君どうしたの~?」
「え?なんか顔色悪いよ?」
「大丈夫?」
女の子たちが心配してくれてるけど、
何でかいつもみたいに仮面を被れない・・・
はぁ・・・早くこの時間終われ・・・
「清玲く~ん?」
「大丈夫~?」
何も聞きたくない・・・
◆「結城君・・・?」
『・・・・っ!!』
声が聞こえた。
聞きたくないはずなのに、
ずっと待ってたその声・・・
◆「・・・・結城君?
体調悪いの・・・?」
彼女は、心配そうに俺を見つめていた。
なんだろう・・・この気持ち・・・・
◆「大丈夫・・・?」
あぁ・・・全然分からない・・・
この気持ちが何なのかなんて
俺には分からない・・・
だけど・・・
だけど、これだけは分かる・・・
この世で一番、
憎たらしいはずなのに・・・
そんな彼女の声が・・・
・・・一番・・・
・・・好きだ。
◆「結城君、本当に大丈夫?」
ぐいっと野蛮女が覗き込んできた。
『だ、大丈夫だよ』
◆「本当?周りの女の子たちが顔色悪いって・・・」
あ、そうだった・・・
心配かけてたんだった・・・
『あ、みんなごめんね、
ちょっと眠かっただけだよ・・・
桜井さんも心配かけてごめんね」
あー、なんか元に戻ってきた・・・
周りの女の子たちにもニコニコできる
ふぅ・・・、良かった・・・
◆「そっか、ならいいんだけど」
そう言って、ニコッと笑いかけられた。
『・・・・・・・・・・・・・・』
◆「あと、班が決まってないの、
結城君のところだけなの、
決まったら教えてね」
野蛮女は、それだけ言って教卓の方へ戻っていった。
「結城君っ!私勝ったよ!」
「一緒の班だよ!!」
「楽しもうね~っ!」
「・・・あれ?結城君?
やっぱり体調悪い・・・?」
『・・・・・・・え?」
「顔、赤いよ・・・?」