第2章 親睦を深めよう作戦
「答えたくないわけじゃない。俺も一応男だ。そういうことを考えないと思うのか?」
「なっ……。えっと、私はどう反応すれば……」
リヴァイはまるで何かを楽しむようにアイリーンに笑いかける。
自分で撒いた種とはいえ、アイリーンは今にも顔から火が出そうな程真っ赤になっていた。
まさかこんな展開になるなんて……!
考えずに言葉を発するのを控えよう!
考えてから行動しなければ取り返しがつかなくなる……!
改めてそんな反省をしながら、どうやってこの状況を脱しようかと頭をフル回転させる。
だが、どうしても解決策が見つからない。
顔から火だけでなく、頭から煙まで出そうだった。
「……トマトみたいだな。」
「だ、誰のせいでこうなっていると……!」
「悪ふざけが過ぎたな。すまなかった、冗談だ。」
サラッとそんな台詞を吐いて、リヴァイはアイリーンの腕を解放した。
その顔は、玩具で遊んだ後のように楽しそうな、スッキリしたような。
アイリーンから見れば、鼻フックでもしてやりたいような表情をしていた。
「それにしても、単純なやつだな。こういう状況に慣れていないのか。」
「こんな状況になる機会なんて、一生に一度だけで充分ですよ……。」
疲れました……。とため息を吐けば、リヴァイは再度すまなかったと素直に謝罪した。
本当にフックをしてやろうかと考えていたのに、二度も素直に謝罪されると、そんな気も無くしてしまう。
アイリーンは渋々、許します。とちょっとだけ偉そうにリヴァイに告げる事で、優越感を貰うことにした。