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大切【NARUTO】

第36章 私は





『先生、どうして?せっかく思い出したのに。』


「うちはソラは、その左の太腿にあるマークと、その眼の持ち主だ。
…賢いお前なら分かるはずだろ?」


カカシが足と眼を順に指差して気づいた。

足のマークはセイレーンの証。
眼には写輪眼を宿している。


『…うちはの血継限界と、セイレーンの血継限界!』


「そういうこと。ソラが本名を名乗れば狙われるのは必然。
大蛇丸はサスケを狙ったが、うちはソラと名乗っていれば、狙われたのはソラ、お前だ。」


カカシの言葉に息を呑む。
自分の価値を侮っていた。


そう、「うちはソラ」は、唯一のセイレーンであり、たった数人しか残っていないうちはである。


『そっか…みんなを無益な戦いに巻き込む事になるのね。私の身の上を知っていれば…。』


もし、私がうちはソラである事が暗部の耳に入れば。
私の情報を引き出そうと、みんなが根の者たちに酷い仕打ちをされるに決まってる。

他国の耳に入れば。
私を奪おうと戦争すら起こりかねない。


使い方によっては人を殺す兵器にも、人を癒す天使にもなれる。


それ故、国同士で戦争を行ってまで手に入れたい力でもある。
それ程までにセイレーンの力は絶大だ。

それに加え、うちはの血。

今の私は、忍国家にとって、どんな財宝よりも高価なのだ。


「ああ。それに、自分を守るためだよ、分かったね?極力言うのは控えなさい。」


『…はい、分かりました。』


それが木の葉の為、みんなの為だと言うのなら、そうするしかない。
でも、如何しても本当の事を伝えたい人は数人いる。


『カカシ先生、サスケには…?』


「サスケはね、"歌神リク"であっても、あれだけお前を心配してる。
"うちはソラ"と名乗れば、サスケは泣くどころじゃないだろーね。」


フッと笑うカカシに、つられて私も笑う。
サスケには言ってもいいという、カカシなりの合図だ。


『そうですね。フフッ。
じゃあ、この事は、サスケには言います。
…新しい火影様には?』


「あー、綱手様には俺から伝えておくよ。まあ里の長だ、事情を知っててもらった方が得だしね。」


ソラが『よろしくお願いします』と、頭を下げると、カカシはグリグリと頭を撫でた。


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