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大切【NARUTO】

第36章 私は





カカシからの話は、きっと重要な事。
だって、サスケを部屋から払うくらいなのだから。

一体なんの話だろうと、少しばかり身構える。
そして『追い出してごめんなさい』と、声に出さずに謝り、ドアノブに手をかけたサスケの後ろ姿をみつめた。

しかし、サスケは出て行こうとした時に、最後の最後とカカシに念を押したのだ。
まだ少し出ていくことを躊躇しているらしく、笑いが少しだけクスッと笑ってしまった。

ほんっとうに、サスケは可愛いやつだ。


「カカシ、リクに変なことすんなよ。」


「なーに言ってんの、俺がそんなことするとでも?」


「ああ、思ってる。」


「ええ。俺、泣いちゃうよ?」


『大丈夫よサスケ!何かあったらぶっ飛ばすからさ!』


しっかり釘を刺していくサスケにピースサインを送ると、渋々外へ出て行った。

やっと外へ出たサスケの方を向いて、カカシがため息をついた。


「サスケね、リクが倒れてから、自分は骨折だけだからって、ずっと側に付いてたんだよ。
ほとんど寝ず食わずでね。」


『………そうですか。後でサスケにお礼を言わなきゃ…。
でも先生、サスケを追い出した理由は、サスケの心配だけじゃないでしょ?』


そう聞くと、カカシは何やら印を組み、少し強めの結界を張る。
そして先ほどとは違い、真剣な表情でこちらを見た。


「俺はね、三代目から大体事情を聞いてるのよ。
だから、全部素直に話せ。…記憶はどうだ。」


『はい、全て思い出しました。』


「………そうか、ソラ。」


私をソラと呼ぶ。
やっぱりカカシは全てを知っていた。


『私の本当の名は、うちはソラです。』


「ああ、知ってるよ。ちゃんと記憶、戻ったんだな。」


『はい、全て。』


「そうか。」


ソラはコクリと頷いた。
やっとやっと、記憶を取り戻せた自信が、その頷きを少しばかり強くした。


「じゃあ、まずはその話なんだけど、本当に必要だと思う人以外に名乗るな。」


『……え。』


いま、なんて言った?


唐突に突きつけられた命令。




名乗るな。







本当の名前を思い出しても、名乗ってはならないなんて。


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