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大切【NARUTO】

第29章 中忍試験・死の森





「あー!すっげーでた〜!すっきり〜!」


清々しい面で草陰から出てきたナルトだが、明らかにチャクラの感じが違う。

リクが顔をしかめたと同時に、サスケがナルトを殴り飛ばした。

その様子にサクラが驚き固まっていたが、説明する暇はない。


『…本物のナルトくんはどこなの。』


そう言うと、偽ナルトはキッとこちらを睨んだ。



ホルスターも逆。
アンコに付けられた頬の傷もない。



そんな変化を、サスケが見破れない訳がない。
逆にこれで良く見破られないと思ったものだ。


「てめーはナルトより変化が下手だな、ニセ者ヤロー。」


サスケの言葉で、偽ナルトの姿は煙に巻かれる。

現れたのは雨隠れの忍だった。
ばれたなら仕方がないと、強行で戦闘を仕掛けてきた。
それにサスケが対応する。


『春野さん、ナルトくん探してくるから!サスケをお願い!変化されたら面倒だから、絶対目を離さないで!』


「え、あ、うん!分かったわ!」


ようやくすべてが理解できた、といった顔をしていたサクラに一言告げ、草陰に入った。








しばらく走ると、縄で巻かれたナルトを発見し、すぐにクナイを投げて、縄を切る。


「リクちゃん!助かったってばよ!」


『ううん、当たり前のことをしただけだから。』


ナルトを助けてすぐ、背面で爆発が起こる。


(…サスケは無事!?)


第一に彼の顔が浮かび、それに振り向いた時だった。


「ほら、スキができたぁ!ラッキー!
動くと殺す!おとなしく巻物を渡せ!」


背後からクナイを首にあてられ、身動きが取れなくなった。


『…意外とできるんだね、貴方。』


そうじゃない。
ここにいるのは、選び抜かれた下忍達だけ。

少しの油断や気の乱れが、一気に形勢を逆転させる。




少し、冷や汗が流れた。







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