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【R18】君は華より美しい(仮題)

第3章 ドキドキする理由


 ジョエルの横顔は、恋する乙女の顔だった。
 プレイラはどうしたものかと頭を抱える。
 十中八九、ファンドレイがジョエルを睨んだのは照れ隠しだ。
 至近距離でジョエルの胸を見たに違いない。

(違う意味でお説教だわ…!)

 ぎゅっと拳を握る手に力が入りかけて、プレイラはハッとした。
 これはいけるかもしれない。
 彼女の頭の中で、鐘がリンゴンと鳴った。

(ファンドレイとジョエル…意外に合うんじゃないかしら…!)

 プレイラは二人が合いそうな点を指折り数える。
 まず、ファンドレイはいつでも笑っているような女が苦手だ。
 ジョエルは普段無理して笑っているので、彼の前では素が出せるはず。
 そしてジョエルはお喋りな男は好きではない。
 圧倒されてしまって疲れるというのだから、無口なファンドレイであればその心配はない。
 目つきの悪いファンドレイは怖いとよく言われるが、睨まれてドキドキするのだ、全く問題ない。
 気になるのは今の身分差だが…ジョエルの両親のことを考えれば、おそらくクリアできるはず。
 後は、ジョエルがいかにファンドレイにアピールできるか、ということ。

「それで――ジョエルは、私に具体的に何を聞きたかったの?」
「え…」
「そうね、例えばの話でいいんだけれど」

 侍女に入れてもらった紅茶を飲みながら、プレイラはジョエルが口を開くのを待った。



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