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イケメン王宮

第5章 プリンセス


「ノア様の瞳と同じ色ですので」

「俺は黄色のドレスを着て欲しかったのになー」

コンコンとノックがして
扉が開きユーリが顔を出す

「ジル様、サクラ様をお連れしました」

栗色の瞳と目が合った

「えっ!誰ですか?」

驚きに満ちた瞳が見開かれる

「こちらは萩様です
サクラ様のお手伝いをお願いいたしました」

「萩です。初めましてサクラ様よろしくお願いします」

「えっ?手伝う?公務をですか?」

「ええそうです。萩様はプリンセスとしての立ち振る舞いは完璧ですので心配いりませんよ?
むしろサクラ様は頑張っていただかないと困ります」

「うっ...わかってます。頑張ります」

下を向いて困った顔を隠すサクラに
にこにこして近づく

「大丈夫、私も一緒にウィスタリアの歴史を勉強しますから
頑張りましょうね」

「...はい」

二人が笑顔で話している

「これじゃどっちがプリンセスかわかんねえな」

「もう、シドうるさい!それより報酬は何がいいか決めたの?」

にやにや笑いながら茶化すシドを睨みつける

「何でも言いっつたよな萩?
じゃあ今回もキスで許してやるよ」

『えっ!!キス!?』

皆が驚き萩とシドを交互に見る

「.....ここでするの?」

ニヤッと笑う

「ねえ~シド。今回『も』ってどういうこと?」

ノアの言葉にアッと閃く

「キスすれば良いんだよねシド」

にっこり微笑むと近くにいた
ノアの手を引き背伸びをし首に腕を絡ませる
チュッと頬に触れるだけの口づけをする

突然の萩の行動に皆が唖然とする
皆からは角度的に唇にキスしたように見える

「おい!誰がノアとキスしろっつった?俺とだろうが」

「萩~もう一回キスして」

怒るシドに甘えて抱きしめてくるノア
真っ赤になって俯くサクラに他の皆は機能停止状態だ

「だって『シドにキスしろ』って言わなかったでしょう
あんまりしつこいと兄様に言いつけるわよ
シドなら私の兄様か誰だか知ってるでしょ?」

チッと舌打ちをし今度の報酬は俺にキスだぞと言って引き下がる

「シドが引き下がるほどの人物...兄様とは誰のことですか?」

「記憶をなくした私を引き取ってくれた優しい人です。
今度紹介しますねジル」
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