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イケメン王宮

第4章 ウィスタリア


「おはよう萩」

「...私夢を見たの
父様と母様が殺される夢...」

微笑んでいた表情が微かに歪む

泣きじゃくる萩を
落ち着かせようとギュッと抱き締め
背中をなでる

「大丈夫。全部夢だよただの夢」

「ゆ..め?」

ユーリの背に手を回し力いっぱいギュッと抱き着く

「ユーリ傍にいて何処にも行かないで
一人にしないでお願い」

「うん。傍にいるよ」

目に涙を貯めながら嬉しそうに微笑む
零れた涙をユーリは優しく拭ってあげた

コンコンとノックの音がして扉が開く

「ユーリいる?アランに聞いたんだけどさっきの子
サクラちゃんじゃないんだって?」

「ええ、よく似てますけど違いますよ」

にっこり微笑みながら
萩の手を持ちベッドからおろす

「こんにちは、えっと萩ちゃん?」

「こんにちは、ここまで連れて来てくれてありがとう
レオのおかげでユーリに会う事が出来たの」

「そっか間違えて良かったのかな。
でも、本当にサクラちゃんによく似てるね」

「ねえユーリ、さっきから言ってる『サクラ』って誰?」

小首を傾げて問いかける

「この国のプリンセスだよ。もうすぐお披露目会がある
萩もみに来たんでしょ?」

「そう言えばジルが起きたら部屋に来るようにって
萩ちゃんも一緒に」

「えっ!私も?
レオあのねそこに黒髪の人も来るの?」

こわごわ尋ねる

「黒髪ってアランのこと?」

「ううん違う、アランは怖くない優しかったよ」

「カイン様の事かな?大丈夫だよ口が悪いだけで怖い人じゃないから」

行こうとユーリとレオに促され
ジルが待つ部屋へと向かって行く

レオは終始笑顔で話をしてくれた
自分はこう見えて官僚をしていて
アランはあんまり似てないけど双子の弟だとか

血がつながってないのに
萩とサクラの方がよく似てる
と楽しく会話をしてくれた

「ジル二人を連れて来たよ」

ノックをして声をかけると

「入って下さい」

レオが扉を開き
レディーファーストで先に通してくれた

ジルは椅子に座りにこやかに微笑んでいる
部屋にはジル、アラン、カイン、ノア、それとあと二人知らない男性がいた
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