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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第11章 大人な俺達の複雑な心境


松岡さんが抱え込んだ俺の両膝から腕を抜き、ゴロンとばかりに俺の隣に身を投げ出す。

そしてサイドチェストに手を伸ばすと、タバコを一本抜き取り、口に咥えた。

怒らせちゃった…かな…

「ごめんなさい…、俺そんなつもりは…」

丁度仕事が忙しく立て込んでる時期にも関わらず、俺のためにわざわざ時間を作ってくれたのに、俺は言うに事欠いてコトの真っ最中に他事を考えてるなんて…俺、最低じゃん…

申し訳なさばかりが募って、上体だけを起こして、タバコの煙を燻らせる松岡さんの顔を覗き込んだ。

「気にすんな」

それでも俺に向かって差し出してくれる右手が嬉しくて、俺はそこに頭をちょこんと乗せ、広い肩に額をコツンと宛てた。

松岡さんと付き合うようになってから気付いたことだけど、腕枕ってのは、恥ずかしくもあるけど、案外落ち着くらしい。

「んで、今度は何悩んでんだ?」

「今度は、って…。もぉ…、酷いなぁ…」

不貞腐れて見上げると、ニヒヒとばかりに笑って、松岡さんはタバコを灰皿に揉み消した。

「酷いっつーけど、顔にしっかり書いてあんだもんよ、“俺、悩んでます”って」

ウソ、俺そんなに顔に出てた?

ま、実際ココ最近…いや、和が産まれてからこっち、俺の悩みは尽きないんだけどさ…

だって俺、これでも一応“パパ”だからさ…
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