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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第10章 俺達のスペアキー


「明日、泊まりに行ってもいい?」

誕生日を翌日に控え、潤にLINEを送る。

すると、一分も経たないうちにデスクの上でスマホが震えた。

「仕事終わったら店に寄れ」

って…

どんだけ愛想ないんだよ…

本当は嬉しいくせにさ、どこまでもカッコつけなんだから…

でもそれが潤だから仕方ない。

俺はきっとニヤけてるだろう顔をデスク上のPCに向けた。

今日は残業なしだ。

さっさと仕事を片付けてしまおう。



って思ってたのにさ…

「すいませんでした、先輩に迷惑かけちゃって…」

直属の部下で後輩でもある、西畑のちょっとしたミスが原因で、結局残業する羽目に…

でも西畑を恨んでも仕方ない。

部下のミスは、上司である俺の責任でもあるんだから。

「気にすんな。思った程厄介な事案でもなかったし、何とかなったからさ」

「あ、先輩、用事あったんじゃ…」

言われて壁の時計に視線を向けると、時刻はもう10時を回っていて…

「いっけね…」

もう潤待ってないよな…

「ほら、さっさと帰るぞ」

「はい!」

西畑のケツを叩いて、大急ぎでオフィスを出た俺は、戸締りの確認を済ませ、ビルを飛び出した。

「お疲れ様でした」

「お疲れ…」

何度も何度も頭を下げる西畑に手を振って、俺はバス停へと向かった…けど、つい数分前に最終が出たばかりで、次を待つとなると始発の時間まで待つことになる。

それは流石に頂けない。

諦めて地下鉄に切り替えようと踵を返したその時、俺の目の前に一台のド派手な車が停まった。
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