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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第8章 俺達の落ち着ける場所


再びメバルの煮付けを嬉嬉としてパク付き始めた智を、後から抱き締める。

「何? どうしたの、急に…」

それでも手を止めない智。

やっぱおかしい…

「なあ、正直に言えよ、寂しいって…。俺と一緒に行く、って…」

いつもみたいに我儘言ってくれよ。

こんな違和感だらけの智を置いて行く方が、よっぽど不安なんだけど…

「んとね…、本音言うとね、翔くんがいないのヤダよ? 出来るなら一緒に行きたいよ?」

ほらね?
それでこそ俺の知ってる智だ。

「もし、僕が行かないでって言ったら、翔くん断れるの?」

「それは…無理…だろうな…」

「でしょ? それにね、そのお仕事、翔くんだから任されたお仕事なんでしょ?」

確かに、上司の話では、支店長からの直々のご指名だとは聞いてるけど…

「だったら、僕が邪魔しちゃダメでしょ? だって僕、翔くんに頑張って欲しいもん」

胸に回した俺の手に、ポツリと熱い雫が落ちるのを感じた。

そっか、俺のために…

「俺、頑張るから…。で、一週間経ったら、真っ先に智の所に帰って来るから…」

「うん、僕いい子で待ってる。でもね…」

「でも、何?」

「どうしても寂しくなったら、電話してもいい? そしたら僕…」

今にも泣き出しそうな顔を俺に向ける智にキスをして、ギュッと強く抱き締める。

「当たり前だろ? いつでもかけて来ていいから…」

もしかしたら俺の方が先に耐えらんなくなるかもしれないしな?
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