第4章 彼の嫉妬は雪をも溶かす。
「お前…もう飲み会禁止な」
「今日は忘年会だからどうしてもって言われちゃってね、しばらくないから大丈夫だよ」
「しばらくじゃねー、行くな」
バスルームから出た二人は部屋着に着替え、タオルで頭を乾かしていた。
青峰はと言うと、を膝に座らせ後ろから抱え込みいつもよりもベッタリとくっついていた。
「全部断るのは難しくなると思うけど……」
くるりと向きを変えて青峰の頬を両手で包み込む。
見上げたその顔はまだ何処か拗ねてるみたいで、可愛く思えてしまう。
「また…迎えに来てくれれば嬉しいな」
「…調子乗んなよな」
そう不貞腐れる姿も可愛くて堪らないなんてもう重症だと自分でも思う。
男らしい姿も、拗ねちゃう姿も、
嫉妬して独占欲剥き出しな姿も。
「好き」
「…あたりめーだろ」
外はいつの間にか、雪。
「寒いと思ったら……雪だ」
「だから俺を見とけっつったろ…何度も言わすな」
「え、あ!うひゃあ…!」
「あ?なんだよ、うひゃあって」
青峰がを抱えて立ち上がる。
いきなりの事では驚いて思わず声を上げた。
「お、降ろして…!大輝…っ」
「おー、わかったわかった。あっちでな」
向かった先はもちろんベッドルーム。
は暴れて抵抗するも青峰の前じゃその意味をなさない。
「俺にあんな思いさせたんだぜ?その分キッチリ愛させろ」
「……っ///」
サラリととんでもない事を言われなかっただろうか。
聞き返せないままベッドルームへと入り、青峰の足が器用にドアが閉める。
後は、二人だけ。
「ちょ…待っ…!大輝っ!」
「…あー、もー黙れって」
外の雪も忘れるほどの熱を、貴方にーーー。
END