第17章 Op.17 聖夜【R-18】
非常に分かりやすいところにある客室までルイはレオナを案内する。
「ここ」
扉を開けて、中の明りを灯す。
以前、物件を案内してくれた時のことを
レオナは思い出してしまう。
客室はおそらく他国の貴族向けに作られたものなのだろう
とても煌びやかな調度品に囲まれた豪華な部屋だった。
「す、すごい綺麗な部屋…」
天蓋のついた大きなベッドが中央に鎮座し
部屋の一角が少し低くなっておりそこが応接間になっている。
ベッドの横にはバスルームへ続く扉がある。
部屋の内装に見惚れぼんやりしていると
ルイは後ろからレオナを抱きすくめた。
「あ……」
耳元と首筋に、ルイの柔らかい金髪が振りかかる。
「俺の前で…他の男とハグなんてして……」
「ル、ルイ…」
抱きしめる力が強まる。
「その分、取り戻すから覚悟してね」
「えっ…」
レオナが振り返った瞬間
ルイは後ろからレオナの唇を奪った。
「んっ………ん」
変わらない、ルイの優しいキス。
レオナは身をよじり、ルイと向き合う。
角度を変え、何度も唇がついばまれる。
(ルイ……)
仕事に忙殺される毎日の中で
ふと心の中に現れるのはルイだった。
あの時のルイに嘘はなかった。
ルイの言葉、ルイの瞳、それ以外の全て
ルイの本当の気持ちだった。
そして今
目の前でこうしてまっすぐ愛してくれていることも
嘘ではない。
レオナにとってそれは
心底嬉しくもあった。
クリアなルイを信じ
委ねていく度に
レオナは自分の気持ちの純度が
上がっていくような感覚があった。
「……ルイ…」
僅かに唇が離れた瞬間に、レオナは名前を呼んだ。
ルイが熱っぽい視線でレオナを見下ろす。
その伏せられたまつ毛からは妖艶な色香が醸し出されている。
レオナは自分の頬が紅潮していくのを感じた。
「…ルイ……私、ルイのことが…」
続けようとしたレオナの唇をルイはそのまま塞いだ。
「んんっ……ん…」
再び重ねられた唇は、そっと差しこまれる舌の侵入を許してしまう。
優しくなぞるルイの舌に、答えるようにレオナは自らの舌を絡めた。
「…ん……んふ……ん…っ」