第9章 友人の勘違い
「いーじゃん‼5歳差。5歳上なら頼りになりそうじゃん‼」
バシバシと叩かれる肩が痛い。
席について数分で、もうジョッキのビール3分の2が消えている冴子。
烏養さんがぺらぺらと喋ってくれたおかけで、冴子にまでこう言われてしまう。
武田先生もそうだった。
たぶん、
だいたいの人が、
5歳差と聞いて同じように思うんだろうな…
5歳上だと思うんだろうな。
こうなればもう、ヤケ。
「上じゃない…」
ぼそりと呟いた言葉。
目の前の人も、
隣に座る彼女も、
「は?」と、こちらに聞き返す。
「だから、上じゃないんです。5歳下。相手は高校生です」
あぁ、言ってしまった。
二人からの反応が怖い。