第67章 【番外編】治してください
新年をお祝いするパーティー、宴会、パーティー、ケテルブルクに移動してまたパーティー、特に親交の深いバチカル、ケセドニアと移動してパーティー。
王様はすることがこんなにたくさんあるなんて、思いもしなかった。
ジェイドさんの身の回りのお世話係として、新年ご挨拶回りをお誘いしてもらったのだけれど、まさかお二人とも毎年こんなハードなスケジュールをこなしているとは思わなかった。
お城に戻り、部屋に帰った瞬間、一気に疲れが出た。
「ルルさん…?」
膝から力が抜けて崩れ落ちる。
「はふ……」
「ルルさん…?身体の調子が悪いですか?」
額に宛てられた指が冷たくて心地よく感じる。
「凄い高熱じゃないですか…。
今まで何故黙ってたんですか。」
珍しく語尾を強めに言われて、心配から怒っていることを察した。
「す、すみません、気が抜けたら、一気に……」
「お疲れだったんですね…すみません、無理をさせて…」
優しく抱えられて、寝室まで連れていかれる。
全身が高熱で痛い。
耳の少し下がヒリヒリとする。
ジェイドさんはてきぱきと必要な物を揃えて、熱が下がる適切な処置をしてくれた。
服も優しく代えてくれた。
恥ずかしくてやめてほしかったけれど、力が入らなくてされるがままだった。
氷嚢を用意してくれて、私は漸く熱さから解放される。
「思った以上に高熱ですね…。
今解熱剤を作らせていますのでお待ち下さい。」
いつもの笑顔だったけれど、どことなく不安そうな表情で言われた。
「ありがとう、ございます…」
パタンと扉が閉める音がして、漸く見慣れた天井を見つめる。
はぁ、と熱いため息が落ちると、うとうとと睡魔が襲ってくる。
そういえば、何日も少ししか眠れなかったなと思い返す。
それでも、具合の悪さかなかなか眠れず、ぼんやりとしていると、コンコンと弾みのあるノック音が聞こえた。
「ルル様、大丈夫ですか?」
メイド長さんが心配そうに来て、粉のお薬とお水を持ってきてくれた。