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罪と罰【終わりのセラフ】

第18章 執着




何かおかしいと感じたのか、お兄ちゃんは優ちゃんをじっと見つめて呆れた様な表情を浮かべた。


クローリー
「君、歴史に詳しいって嘘でしょ」

優一郎
「っ!?あはは…」


ほぼ断定しているお兄ちゃんに顔を固まらせ、優ちゃんは笑って誤魔化そうとする。


「…やっぱり」

優一郎
「やっぱりってなんだよ!」


その様子に思わず呟くと、私に文句を言ってきた優ちゃん。
でも優ちゃんの逆ギレには子供の時に慣れている。


「優ちゃん勉強しそうにないから」

優一郎
「それは…そうだけどな…」


だから動じずに言うと優ちゃんは言い返す事ができなかった。


クローリー
「そもそも知らないのに何で頷くの」

優一郎
「ん?話止めちゃダメかなーって」

クローリー
「………」


その答えを聞いたお兄ちゃんの表情が固まる。


クローリー
「…もう話さない」

優一郎
「いやいや、さっきの質問に答えろって」

クローリー
「やだよ、バカと話すの」


お兄ちゃんは話すのを拒否すると、顔を背けてしまった。
それでも優ちゃんは諦めない。

しつこく質問を続ける。


優一郎
「人間だったのに人間殺すのおかしいだろ」

クローリー
「…歴史を見なって、人間が1番人間を殺すだろ」

優一郎
「は?」


話す気はなかっただろうが、優ちゃんの言葉に引っかかったらしい。
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