第18章 執着
クローリー
「おやすみ」
その言葉と共にフオラの気配が消滅。
サキラ
「どうやってフオラを…」
それを察したサキラも唖然としていた。
フオラとサキラはお兄ちゃんが第十三位だと思っている。
なのに第十位のフオラをお兄ちゃんが倒してしまったのだ。
動揺しない方がおかしい。
クローリー
「陣形か…懐かしいね。僕も人間だった頃にやったよ」
優一郎
「え!?お前…」
懐かしむお兄ちゃんの言葉に反応した男の声。
「優ちゃん…?」
ここからは見えないが、聞き覚えがある声に思わず名前を言ってしまった。
そして言ってからまずい事に気づく。
サキラ
「…あの人間の事知ってるのね」
「!」
サキラから殺気。
外へ出ようとするが、呆気なく首を掴まれた。
サキラ
「クローリー・ユースフォードが面倒を見ているだけで裏切り者の可能性があるのに、あの人間も知っているのならば殺しても問題ないでしょ」
「っ」
サキラ
「でもすぐには殺さない。お前を利用するから」
フオラが殺された事でサキラに冷静さがない。
第十位のフオラが負けたから第十一位のサキラは敵わない。
それくらい普段のサキラなら分かるが、今のサキラは頭が回らないみたいだ。
クローリー
「試してみよう。ミカくんの加わったその陣形で僕が止められるか」
優一郎
「!」
クローリー
「でも後でね」