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【イケメン王宮】星の導きのままに。

第6章 王宮へ【R-18】




………結局、イリアは
バスタブにお湯をはることにした。


「いいよ…うちのお風呂狭いから……」


身体の大きいシドだけでいっぱいなのに

「るせぇな、早く来いよ」

と、シドは無理やりイリアを抱きかかえて一緒に湯船へ入った。



「……小せえ風呂だな」

「ほらやっぱり!!私先に出るって…」

「黙って入ってろ」

「ちょ!それはこっちのセリ……」

言いかけたところで



シドは後ろからイリアの身体を抱きしめた。

シドの顔が肩越しにあるのが

鎖骨にかかる吐息でわかる。



「………お前、王宮に入るんだってな」

「え?」

「ジルから聞いたぞ」

(やっぱりジル様は本気で……)

先週の出来事が脳裏をよぎる。



「……だったら、どうする?」

「……お前がいねぇと、ここでの仕事はやりづれぇ」

その返答には少しだけ胸が痛む。

「けっこうオイシイ情報流してたしね」

イリアは精一杯の苦笑いを浮かべる。

シドは何か言いたげにイリアのうなじをすっ、となぞった。

「……ああ」



「会えなく、なるね」

「…いや、しょっちゅう出入りしてるからな、顔くらい合わせんだろ」

「そっか…」

シドはイリアの首筋に唇で触れた。

「…ん……」

くすぐったさに、自然と声が漏れる。

「…こういうことは、もう気安くできねぇな」

……声色からは、シドがどんな思いでそう言っているのかまでは分からない。

「お前、我慢できんのかよ」

「は?どういう意味?」

少し振り返ると、いじわるないつもの笑みが見えた。

「エロ官僚に食われんなよ」

「ないよ、そんなこと」

「…お前、案外ぼーっとしてるからな…危ねえ」

シドはイリアの顎を捉え、唇を重ねる。


優しく唇が舐め取られ、水音が響いて離れると


「……困ったことがあればいつでも言え。報酬さえ払えば……何でもしてやる」

イリアの唇を、親指で優しくなぞって告げた。



シドのミッドナイトブルーの瞳は

今までで一番

優しく、愛おしく

そして切なげな色をしていた。







三日後……


イリアは
ウィスタリアの王宮へ上がった。


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