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【イケメン王宮】星の導きのままに。

第17章 エピローグ




シドはあれからまた
情報屋として王宮に出入りするようになった。



イリアとは
過去に何もなかったかのように
ただの「古い友人」という間柄になった。



そんなシドも
グランディエ大公がしびれを切らして
何人かの女性を会わせる機会を設けたらしいが


「もつ」のは長くて3日…最短3秒だった。


しかし、今付き合っている(?)女性は
よほど根性があるのか肝が座っているのか
この最長記録を更新しつつある。



しかし彼は自分のペースを崩すことなく
情報屋の仕事をしたり、危ない仕事をしたり
あちこち飛び回っているらしい。



たまに王宮に顔を見せると
イリアの娘、セーラに妙に懐かれ
仕方なく相手をしたり世話を手伝っているのだった。



「ったく、情報屋にガキのお守りと雑用を頼むんじゃねえ」

シドは買ってきた品物をイリアに渡した。

「ありがとう!助かりますっ」


「プリンセスの具合はどうなんだよ」

「うん、けっこうひどいんだよね…まぁつわりだからあとひと月もすればおさまると思うんどけど」


歩きながらイリアは、紙袋から桃とオレンジを取り出す。



「……そうかよ。じゃ、お大事にな」

「えっ、もう帰るの?」

「ああ…長居すると『教育係』に怒られるからよ」


イリアはシドと顔を見合わせぷっと笑った。


「そんなことないよ……今度はゆっくりしてってね」

「シーロ、やーや」

セーラがシドの服の裾を掴んで引き止める。

「なんだ、随分積極的だな…母親似か」

「ちょ…それどういう意味……」

シドは鼻で笑うと、そのまま手をひらひらさせて去っていってしまう。




(…ありがとう、シド)



シドを見かけると
いつも「ありがとう」が出て来る。




「さて、セーラ!そろそろお茶の時間だから、お父様のところへ行こうか」

「とーしゃま!」


セーラは嬉しそうに執務室の方へ走っていく。





いろいろなことがあったけれど。



私は今、こうして

愛する人や大切な仲間に囲まれている。


そしてこれからも


大切な人たちの力になって生きてゆきたい。







そう。


星の導きのままに。







----fin.
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