どうやら私は死んだらしい。【HUNTER×HUNTER】
第7章 一次試験、開始
「テストの過酷さに精神をやられてしまう者。ベテラン受験者のつぶしによって、二度とテストを受けられない体になってしまう者。そんな奴らは、ざらだと聞く」
神妙な面持ちで語るクラピカに、レオリオがごくりと息を飲む。室内がしんと静まり返り、どこか不穏な空気が漂い始めていた。その時、
「でもさ」
と、ゴンのよく響く声が、淀みに切り込む。
「何でみんなはそんな大変な目に合ってまでハンターになりたいのかなぁ」
……その一言で、暫し時が止まった。
クラピカもレオリオも、ゴンを穴があくほど見つめている。
ぷっ、とサキが小さく吹き出したのを皮切りに、レオリオがガタリと椅子を立ち、テーブル越しにゴンに詰め寄った。
「お前、本当に何も知らねーでテスト受けに来たのか!?ハンターと言やぁ、この世で一番儲かる仕事だからに決まってるだろ!」
レオリオが言い切ると、“聞き捨てならない”と、そんな雰囲気を持って、クラピカが立ち上がる。
「ゴン!金の亡者の戯言など聞く必要はない!ハンターとは本来、最も気高い仕事なのだよ!」
「なんだと、このええかっこしい!」
二人は互いに、“なぜそうなる”と言わんばかりに睨み合う。
同じものについて説明しているはずなのに、こんなにも意見が食い違う──それもハンターの奥深さなのだろうけれど。
と、私がそんなことを考えている間に、二人はそれぞれの主張をマシンガンのごとく語っていた。
「いいか?世界大富豪ランキングのベスト100の内、ハンターが60人も名を連ねてるんだぜ!?ハンターになりゃ、ほとんどの国はフリーパス!おまけに大概の公共施設はタダで使える!しかもそのライセンスカードは、売るだけで7代遊んで暮らせるって話だ!富と名声、これこそハンターの魅力ってやつだ!!」
「何を言っている、人と自然の秩序を守るのがハンターの本当の仕事だ!動物を狩り、宝を漁るというイメージは二流のそれでしかない!一流(プロ)のハンターは貴重な文化遺産や稀少な動植物を発見した場合、その保護を第一に考える!指名手配犯や無資格の悪質なハンターを取り締まるのも重要な仕事だ!これらを全てこなすためには、深遠な知識と健全な心身・強い信念が必要なのは言うまでもない!ハードだがやりがいのある仕事なのだよ!!」
「どうだゴン!」
「ゴンはどちらのハンターを目指すのだ!?」
