どうやら私は死んだらしい。【HUNTER×HUNTER】
第4章 異心同体
『……閉まっ、た』
エレベーターは、何事もなかったかのように動き始める。私達は程なくして、あの不気味なオーラから解放された。
「ふーーー」
彼女は壁に寄りかかり、ため息のような深呼吸をした。
『ろくにやり合ってないのに疲れるなんて久々だわ。マジでアイツ何者なの!?』
『うーん、一言で言えば、バトルマニア?戦闘狂?快楽殺人鬼?って感じですかね……』
ヒソカに似合う代名詞がもっとマシな言葉で思い浮かべばいいのだけれど、と思いはしたが、戦闘抜きに彼を語る事は出来ないとも思った。
『うぇー。あんた知っててよく一緒に居たわね』
『まぁ、うん、確かに。よく考えたら、そうですよね』
『よく考えなくてもよ』
彼女がバッサリと言い放つ言葉に、私はつい、ふふっと笑ってしまった。
『でも、私感謝してるんですよ。何者かも分からない私に、快く稽古をつけてくれて』
『っはー!能天気なヤツ』
『えぇぇ?いやでも感謝してるのは事実だし……って、あ!そうかごめんなさい!!あなたの身体だったのに、私、知らなかったとはいえこんなにも傷つけてしまって……!』
『は!?いや別にそういう意味じゃ……ってやめやめ!あーもう調子狂うわ』
彼女は髪をかきあげて顔を上げる。
大事な事だと思うんだけどなぁと思いつつ、ふと目線の先に意識を向ければ、エレベーター内の階数表示が150を切っていた。
カウントダウンされていく数字を、彼女は眺めている。
『そうだ!あの、下に着くまでもう少しありますよね?〝絶〟の練習、しときません?』
『ゼツ?』
『ええ。念が使えるようになったって事は、ご存知ですよね?』
『まぁ、さっき“視た”から、ざっくりとはね。このうっすいモヤモヤがそうなんでしょ?』
『はい。その時覚えたのが、“纏”っていう念の基本技なんです。そして次のステップが、“絶”。“絶”は、簡単に言うと気配を消す技です。もっと“纏”の練習もしなければいけないと思うんですが、そうも言ってられない状況なんで』
『アイツを撒くにはぬるいってコト?』
『……正直、底が知れないんです、彼。出来ることは、全部やっておいた方がいい。そう思うんです』
『……それもそうね。どうすればいいの?』