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どうやら私は死んだらしい。【HUNTER×HUNTER】

第9章 彼らの理由






……もう、何十キロ走っただろう。
息を荒げる受験者も、多少見受けられようになってきていた。
先頭と最後尾の距離は、既に結構開いてしまっているだろう。
けれどサキと私はその最後尾を目指し、しばらく前から足を止めていた。
壁に背中を預け、緩く腕組みをしたサキが目を伏せる。

「……あたし、もうしばらく休んでくけど」

「それがどうしたんだい?」

問題は、何故かヒソカも一緒だと言うこと。
……私達は、彼とはもう十分以上、こうして並んで突っ立っている。
会話は、特にしていない。

「……アンタ、受かる気あんの?」

「君こそ、落ちる気はなさそうだけど」

……また無言。
落ち着かない気持ちでいる私をよそに、サキはうっすらと目を開き、ようやく走っているような人々を右から左に追う。

「……酔狂な奴」

「君に興味があるだけさ」

と、全く続かない会話を、二、三交わしながら、サキは『来たわね』と私に言った。
見えるのはトンパと、その後ろにアモリ三兄弟らしき帽子の男達、それにニコル君?だったと思うのだけれど、首に蝶ネクタイをした丸い男の子。
男の子は、大事そうに抱えていたパソコンをガシャリと落とす。彼は最早限界だ。
アモリ三兄弟がそんな彼を囲い、声を掛けている。

「ヘイ、ルーキー!」

「だらしねーぞ、ボーヤ」

「こんなトコでへばる奴、初めて見るぜ」

「恥ずかしいヤローだ」

「表彰もんの能な──」

「随分楽しそうなコトやってんじゃない」
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