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愛欲生活。【おそ松さん】

第2章 おそ松


『………っ、』


口ごもった私に光のない
瞳に捉えられる。


なんで、どうして
答えのない自問自答を
頭の中で繰り返しながら


乱れる呼吸を抑えようと
胸をギュッと握り締める。


『何から、説明すっかなぁ。』


頭をガシガシ掻きながら
ギシッ…とベットに乗りあがる。


『……っ、あ…。』


『俺ね、お前の事も大事だけど
弟の事も大事なんだよねぇ。』


『………う、ん。』


話の趣旨はわからないが
綴られる言葉に耳を傾ける。


肩で息しそうなくらい
息苦しい空間に震える。


乗りあがってきた
おそ松兄ちゃんは向かい合い
私の髪を梳かすように撫で


『助けてやりたかったんだよ。
お前を愛しすぎて壊れそうな
カラ松の事をさぁ。』


今どこにいるのかわからない
最後に見た優しい兄の顔を
思い浮かべて息をのむ。


おそ松兄ちゃんは…
私に何を伝えたいのだろう。

『でもさぁ、俺ら六つ子じゃん?
性格は違えど好みも似てる訳で
皆がみんな同じ事を思う訳よ。』


『………うん、』


まるで、自分もな…と語る
その表情に胸が痛くなる。


まるで私のせいだと
言われているようで…、


『抑えきれなくなった想いを
やり方は違えどお前にぶつけた。

6人全員の甘いのも痛いのも
ぜーんぶ受け止めただろ?

その身体で隅々とな…。』


『………そうだね。』


『いや、わかるよ?
拒めないくらいの勢いの年中二人に
甘い言葉で色々たらしこまれるのも
俺は知ってるけどさぁ…。』


含みのある言い方で
おそ松兄ちゃんの手は髪から
私の首へと手をかけた。


締めるまではいかないけど
このまま締められたら息ができない


『都合良すぎると思わない?』


撫でるでもなく締める訳でもなく
ただ、首に手をかけた手が熱い。


『………っ。』


『中途半端な優しさでさぁ
俺達を弄んでたんじゃないの?

無理やりされたのーとか
逃げ道はいくらでもあったし?』


『っ!?
そんな事思ってないっ!
今までだって…一度も…』


『じゃあ、尚更だよな。』


首にかけていた手を
私の胸へと掴み強く揉む。


『いっ…。』


『今までの許した優しさに
拍車がかかったわーけで、

お兄ちゃんともしような?』


胸を強く捕まれ目を瞑る。


あぁ…私は逃げられない。
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