【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
~暗闇と蟲~
鼻孔にむっと木と土の匂いが広がった。
直感的に麻言は思った。
森の中だ、と。
そして、気が付くと麻言は光の真ん中に突っ立っていた。
周囲が暗闇に包まれる中、
まるでそこだけスポットライト
でも当てられたかの様に明るい。
光に照らされ見える部分には、焦げ茶色い土が広がり
踏むと柔らかかった。
感覚があり、現実と勘違いしそうにもなるが、
場所の雰囲気の異様さから
早々にこれが夢だと麻言は認識していた。
―が先程から何故か寒気がとまらないのだ。
……ずりっ
周囲の暗闇から何か引きずる様な音が聴こえた。
その途端、麻言の寒気が加速する。
早くこの夢から覚めたい。
そう思って無駄に力むも虚しく覚醒には至らない。
…ずっずっずっ
更に”それ”は近づいてきた。
と。
お も い
きんと鋭く頭に直接話しかけるように響いた。
「お、重い…?」
心臓は恐怖で早鐘を打つようだったが
思わず声を掛けていた。
しかし、暗闇の先の相手は答えない。
もう一度話しかけようとしたら
う
か
す
る
ま
で
闇の中から顔が見えた
大きな
何かの幼虫。