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私は吉原のお姫様【R18】

第10章 番外編


向かった場所は俺のお気に入りの場所。


「わー!すごい綺麗ねっ!星もよく見えるわぁ」


都会であるこの街の端にポツンとある少し高い丘、ここから見下ろす街はとても綺麗だ。


俺たちを照らすのはとても弱くて淡い光だけ。


大丈夫、想いを伝えれば…


「ゆ、由羅さんっ!…あの、一緒に呑んでいる内に由羅さんにだんだん惹かれていって……」


こちらを振り返る由羅さんはとても妖艶で思わず息を呑む。


「ー俺と結婚を前提にお付き合いしていただけませんか?」


そう言いながら跪き、花束を差し出す。


ほんの少しの間がものすごく長くて長くて永遠にも思えた。


「ーあら、奇遇ね。これどうぞ。
私と結婚を前提にお付き合いしてください」


そんな俺の前に差し出されたのは形も大きさも色も全く同じ花束だった。

そして真ん中のメッセージカードには「Marry me?」と書いてある。



なんというタイミングだろう。
同じ日に、同じ花でプロポーズしようとしてたなんて。


「「喜んでお受けします!」」


揃った声と共に俺たちは笑いあい、めでたく付き合うこととなった。





ちなみにこの2ヶ月後、俺たちは結婚した。

いや、正しく言えばいつの間にかだ。


机の奥にこっそりしまっていた俺が書くべきところが埋まっている婚姻届。

それがいつの間にかなくなっていたので、由羅さんに聞いてみた。



「え?もう提出しちゃった〜笑」

「い、いつですかっ⁉︎」

「昨日だよっ!「き、昨日ぅぅっ!」


あまりの急展開に倒れそうになる。


「いいじゃない?善は急げよっ!
よろしくね、旦那様っ!!」


そう言って俺に飛びつき、キスをしてきた。


俺の奥さんは行動力がありすぎるようだ。でもそこが良い。



「こちらこそ!幸せにしてみせるよ」




番外編 fin
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