第2章 プロローグ
いつものように買われた今日。
いつもとちがうのは相手。
初めてのお客様だった。
「んっ///…そこ、やらぁぁ///」
「ここ、好きなのっ?可愛いね⁇」
ホテルの個室に響くのは肌と肌がぶつかり合う音。生々しい水音。
妖艶な喘ぎ声。甘い吐息。荒い息。
ベッドの上で乱れに乱れる女と男。
そのままフィナーレを迎え、2人してベッドに仰向けに倒れ込む。
初めての人は自己満で気持ちよくないため嘘で喘ぎ声を出しているが、この人は違った。
愛撫からじっくりと時間をかけ、焦らされ解き放たれるように果てた。
出したくなくても声が出てしまう、
降りたくなくても腰が動いてしまう。
とても甘いひと時だった。
「今日はありがとう。またね」
「ありがとうございました」
深々と礼をしてから、ネオンの光に溶けていくスーツ姿の彼の背中を見つめていた。