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色々短編集!

第8章 食戟のソーマ―――四宮小次郎


そして、いよいよ食戟が始まる時間


私は祈るようにソファに腰掛け、胸の前で手をキツく握った






それからどのぐらい時間がたったのか、ドアがノックされた

『はいっ』

扉を開けると、そこには吹っ切れたような顔をした小次郎さんが立っていた

『………っ!』

「うおっ!?」

私は小次郎さんに抱きついた
いきなりのことでフラついた小次郎さんは少し怒って何かを言っているが、私は構わずぎゅっと抱きついた

『…………よかった、です』

「みずき」

名前を呼ばれて上を向くと、唇を塞がれた


『ちょっ………!』

こんなところで……!
誰か来るかもしれないのに!

そう言おうとしても、小次郎さんは離してくれない
だけど、見られて後でからかわれるのは嫌なのか、部屋に入ってきた

カチャンと音がして鍵が閉まる


「お前………堂島さんに相談したのか?」

『え?あ、いや、堂島さんは私が言う前から気づいてて……』

「……へぇ……“言う前から”……ね……」

四宮はジロリと私を睨む

『うっ……だって!……最近、ずっと塞ぎこんでる感じだったから』

「ま、……あれだ。心配かけて悪かったな」

『………え?』

怒られると思って覚悟していたのに、謝られてしまい反応に困っていると、肩を押された

『うわっ………きゃっ』

思いの外強くて足を縺れさせていると、ベットに体が沈んだ

その上に小次郎さんが馬乗りになって、厭らしく笑った



「でも、日本に来てから初めてだしな」




嫌な予感がする


こういうときは、絶対に当たってしまうのだ……





「今日は気絶するまでシてやるよ」


『…………ひっ』






その日は、今までにないくらい優しかった



でも、気絶したのは変わらなかった………

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