第1章 Free!―――橘真琴
みずきside
「よぉ!なんだ、お前らも来てたのか」
水着を買いに来ていた私たちの前に現れたのは、鮫柄の人達
渚くんと玲くんは中で試着していて、ハルくんと江ちゃんは水着を選びに行っている
「凛!そっちも来てたんだね」
「ああ。大会も近いからな。お前らはもう買ったのか?」
「いや、まだ買ってないよ。俺たちも今来たとこなんだ」
「そうか。
…………で、お前ら、何で手ェ繋いでんだ?」
『っ!!///』
凛くんは訝しげに私とまこくんの繋いでいる手を見る
恥ずかしさで顔が熱くなる
「実は俺たち付き合うことになったんだ」
「はぁ!?マジかよ、お前、みずきのこと好きだったのか!?」
「うん。みずき可愛いでしょ?」
「まぁ、顔もいいし、守りたくなる感じ……かもな」
「でしょー?それにキスしたときとか―――」
『わーわーわー!!!二人とももうやめて!恥ずかしい!』
私はまこくんと凛くんの間に立って腕をふる
「こういうところも、ね」
まこくんは私の頭を撫でながらそう言う
凛くんはそれを見て苦笑すると私たちに背を向けた
「んじゃ、邪魔者は退散するとするか!
なぁ、宗介!」
「…あぁ」
凛くんは向こうに歩いていってしまい、山崎くんと目が合う
『………!』
「よかったな」
『……ありがとう』
まさか、山崎くんからそんな言葉がもらえるなんて思ってなくて驚いたけど、口元を綻ばせた山崎くんに私も微笑んだ
「し、失礼しますっ!い、行くよ!ももくん!」
「あっ!はい!じゃ!」
山崎くんのあとを慌ただしく追っていった似鳥くんと御子柴くんを見送って、私たちも水着を選ぶ仲間の見守った