第6章 ワンピース―――ロロノア・ゾロ
みずきside
一通り家事を終え本を読みながら日向ぼっこをしていると、荊の外に人の気配を感じた
森の動物たちは荊を嫌う
それにこの島の人たちはここには近づかない
声をかけると、それは男の人の声で名をゾロと言った
ゾロは海賊らしく、いろんな話をしてくれた
ゾロは世界一の大剣豪を目指す剣士さん
船長はルフィという名で悪魔の実と呼ばれる果実を食べたゴム人間で自由な人らしい
ウソつきの狙撃主のウソップさん
航海士でお金とみかんが大好きなナミさん
コックは女の人に目がなくてグルグル眉毛のサンジさん
悪魔の実を食べたトナカイなのに医者でもあるチョッパーさん
考古学者で幼い頃から世界政府に追われるロビンさん
サイボークで船大工のフランキーさん
1度死んで悪魔の実によって甦った骸骨のブルックさん
個性溢れる人たちの楽しい冒険の話を聞いて私は胸の高鳴りが収まらなかった
でも、楽しい時間はあっという間にすぎてしまう
私はふと空を見上げたときそれを痛感した
『もう、夜になっちゃったね………』
「………ああ、そうだな」
『………』
「………」
少しの間二人の間に沈黙が降りる
それを破ったのはゾロだった
「俺はそろそろ行く」
ゾロは立ち上がり、足音が遠ざかっていってしまう
私は慌てて立ち上がり荊のギリギリまで近づいた
『ゾロ!!』
「何だ?」
『もう………会えない……?』
今日初めてあった人だけど私は離れたくなかった
顔をみたい、もっと話したいと思っていた
「さぁな。
………なぁ、みずき。お前は一生そこで暮らすのか?」
『…………え?』
「もし明日俺たちがこの島を出ることになったら1度ここに来る。その時にもしお前がここから出たいっていうなら出してやる」
『明日………』
「じゃあな」
『あ!待って!ゾロ!』
慌てて呼び止めたが、ゾロはもう足を止めなかった