第3章 七つの大罪―――ゴウセル
ヘンドリクセンを討ち七つの大罪が王国を救った
国の人々は心に傷を残しながらも町の修復に励んでいた
「みずき!」
後ろから声をかけられ、振り向くとギルサンダーさんとハウザーさんが一緒に歩いていた
『ギルサンダーさん!ハウザーさん!』
駆け寄ると私はハウザーさんを見た
『怪我はもう平気なんですか?』
「おうっ!バッチリだぜ!」
フンッ、と力を込めるハウザーさんを笑ってみているとギルサンダーさんが
「みずきもヘンドリクセンに折られた腕は平気なのか?」
と聞いてきた
私はヘンドリクセンとの最後の戦いの時、殺されはしなかったが腕をへし折られた
だが、エリザベス様の魔力でもうすでに直っている
すると、ハウザーさんは知らなかったのかええっ!?と声をあげる
「腕折られたのか!?」
『でも、もう大丈夫ですよ』
「ほんとか!?ほんとのほんとか!?!?」
『ほんとですよ。大丈夫です』
そう言うとハウザーさんはため息をついた
「たく、お前は色々危なっかしいんだからな!
心配させんなよ。心臓がいくつあっても足りねぇぞ……」
『……すみません……』
「謝らなくていい。
ハウザーはもちろん、俺もみずきを妹のように思っているんだ」
『……ありがとうございます』
私はその言葉が照れ臭くて頬を掻く
だが、次の瞬間、険しい顔をしたギルサンダーさんに腕を捕まれた
「これは何だ?みずき」
袖がずれ下がり私の腕が見える
その腕にあるものを見てハウザーさんも怖い顔をした
『こっ、これは………っ』
私の腕に合ったのは無数の痣
『………』
答えない私を見て二人の顔はどんどん怒りに満ちていく
「お前、まだ……!」
「これをやったのはどいつだ!?」
『ち!違うんです!これは町の修復を手伝っているときに荷物を落としちゃって―――――』
「みずき!!!」
ギルサンダーさんの怒鳴り声に私は肩を竦める
「………言え」
「みずき……!」
ギルサンダーさんとハウザーさんは私が名前を言うまで決して引かないだろう
だが、言いたくない
あの人達は、何をするかわからないのだ
『ごめんなさい!』
私は力ずくで振り切って走り出した
後ろでギルサンダーさんたちが呼び止めているが走り続けた