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魔界はーれむ。【R-18】

第1章 魔界


でも、さっきまであんなことしてたんだし、いいんじゃないの?

って、え?

「ふぁああああああ!?ごめん、ほんっとにごめん!!!」

私はなんてことを!
例え、あの時正気ではなかったとはいえ………。

私は急いでドレスを着直した。

「王女様、申し訳ありません!」

ミアーシェが勢いよく後ろを向き、私に頭を下げた。顔は見えないが、耳まで真っ赤だ。

「顔、上げて?」

ミアーシェが少し戸惑った様にして、顔を上げる。私は少しでも彼を安心させたくて、いたずらっぽい笑みを浮かべた。

「今のは私達だけの秘密ってことで、ね?」

私の言葉に、ミアーシェが更に顔を赤らめた。何故だろうか。私の中の蓋か何かが開いてしまったのだろうか。あんなことしたのに、ミアーシェと普通に話せるし、しかも、またしたいと思ってる。こんなの、普通じゃない。

「王女様………!ありがとうございますっ」

こんなに感情をあらわにするミアーシェは初めてだ。彼との距離も狭まった気がする。

「それより、ミアーシェ………その、苦しくない?」

私は、それ、とミアーシェのモノを指さしながら尋ねた。結局、私だけ気持ちよくなってしまい、ミアーシェはおあずけ状態なのだから。

「わ、私のことはお気になさらずに!とにかく、お部屋に急ぎましょう!そろそろお時間になってしまいます!」

早口にそう言い、ミアーシェは私の手を取って、部屋へと向かった。

**********

さっきの行為で汗をかいてしまったので、お風呂に入る。もちろん、ミアーシェも一緒に。

不思議と、昨日のような躊躇いも恥ずかしさもない。

「あっ………ねえ、そういえば、さっきなんで私の鎖骨にキスしたの?」

不意にこんなことを聞いたからか、私の頭を洗っているミアーシェの指が少し止まった。

「あっ、あれは………、私に心が読まれるのが嫌に思われていたので、私の魔力を注ぎました。左の鎖骨あたりに私の魔力を注ぐと、私の能力は効かなくなるのです」

「ふぅん」

私は頷き返しながら、そっと鎖骨に眼を向けた。そこには、しっかりと結界が描かれてある。青い文字。手に刻まれたのとは違って、星とかはない。

「ありがと」

私がお礼を言うと、後ろでミアーシェが小さく笑う声が聞こえた。

「どういたしまして」
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