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月に泣く~BLEACH~

第30章 ~拾柶半~GOOD-BYE2


当日――


私は日の出と同時に目を覚ました
次の日の出にはもう此処にはいない…


私は毛布を握りしめ一度大きな深呼吸をするとベッドから降りた


いつもと同じ様に朝食を作り
いつもと同じ様に修行を手伝い
いつもと同じ様に時を過ごした


1日はとても早くあっという間に夜を迎え私はまだ早い時間にも関わらず寝間着の浴衣に着替えベッドに上る


そして膝を抱え、窓から少し欠けた月を眺めていた


「もう月を見る事は出来ないのかしら…」


私はその呟きを掻き消す様にずっと見つめていた


どれくらい経ったのだろうか、突然扉をノックする音が聴こえるが私は黙ったまま眺め続けていた


そして何回目かのノックの後、扉がスッと開いて人が入ってくる


「サラさ――」

入って来たのは喜助で喜助は声を掛けようてして一瞬、言葉を失う


窓の外を見つめているサラは月明かりに照されて白い肌がより一層白く輝き、淡い桜色の浴衣がそれを引き立たせていた


喜助はずっと見つめていたい衝動に駆られるが、ゆっくりと振り向いたサラの穏やかな笑みに思わず呟いていた


「綺麗だ…」


「喜助さん?」


喜助はハッとすると自我を取り戻しサラの元へと歩み寄る


「ノックしても返事がないからもう寝てるかと思いましたよ」


「ごめんなさい。月を…見ていたの」


「月ですか?」


喜助はベッドの上に上ると窓から眺める


「こりゃキレイなお月様だ。でも惜しいッスね、欠け始めている…満月は一週間前ってトコロですか」


「そうですね…それでどうしたんですか?」


「そうだった。手、出して下さい」


「?」


私が手を出すと小さなカケラを渡される
それは雫の形で薄い飴色をした石が埋め込まれたチャーム
だった
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