白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第15章 華は蝶を欺き涙で地を濡らす
『キス…したの…なんで…?
行くなって言ったの…なんで…?』
好きだからだよ?
お前が好きで堪らないから
でも
ヤッパリ
戻れないンだよ
戻っちゃいけないんだ。
「…気まぐれ。
まさか本気にした?
本気で戻れるとか思った?
…バカ…じゃね?
お前の心なんか………」
さっき無視した
バイブ音が
まだ耳に残って
胸が痛いんだ。
低く冷たく悲しく
それはまるで
研磨の泣き声みたいに
聞こえンだ。
嘘つきって
罵るんだ…。