白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第11章 蝶を縛る鎖
「ウソ。おれ…は…
大丈夫だから…
行きなよ。」
『え?でも…』
「大丈夫だって。
甘えたくなっただけだよ
いつもの事
姫凪、困らせてごめんね?
おれ部屋に帰る。
何かあったら来なよ
いつでも、姫凪を
待ってるから」
一番傷付き
粉々になるルートに
向かう背中を押した事
後悔はしてない
姫凪は必ず
おれの所に来る
後悔なんかするわけないのに
涙が止まらない
「ごめん。ごめん。」
膝を抱えて
呟く声が広い部屋に虚しく響いた