白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第27章 太陽に止まる蝶
開こうとして止まる指
何浮かれてるのよ
逢って何言うの?
木兎を抱き締めてた身体は
しっかり木兎の香りを移してる
携帯を鞄に戻して
スカートの裾を握り締める
タクシーの静かな振動に
胸がソワソワする
まさか…まだ…居ないよ…ね?
お金を払って
コンビニで前で降りる
心なしか家に向かう足は
早くなっていく
クロ…クロ……!
ローファーがアスファルトを蹴って
カツカツと軽快な音が鳴る
角を曲がれば私の家
曲がる直前足を止め
深呼吸して足を踏み出す