With Live Planet _この星で生きる_
第12章 新しい暮らし
スゥside
自分の過去を出来るだけ感情を出さずに、他人事のように話していた。
それでもとても辛そうに顔を歪めながら全てを語ってくれた。
今、俺の中に生まれた感情は同情なんて甘いもんじゃない。
なんて言っていいか全く分からない。
感情が一度に混ざり合い、戸惑った結果がこれだ。
成人でもないか弱い少女が抱えるには暗く、深く、大きすぎる闇だ。
「話してくれてありがとう…。
俺はそんな体験したことないから大丈夫だなんて無責任なこと言えない。
でもこれからは感情を押し殺さないで。
泣きたい時は泣いて、怒りたい時は怒って、たまになら自分を責めて、人を責めてもいいと思う。
1つ1つの感情を大事にすればいいから」
そんな事しか言えないけど、俺は小さな小さな細い彼女の背中を撫で続けた。
「絶対なんて花凛の前では空想のような言葉かもしれないけど、それでも俺とリュウは裏切らないから」
こくこくと首を縦に振っていた彼女はそのまま俺の胸の中で眠ってしまった。
花凛の顔はなんだかスッキリしているみたいだ。
少しでも彼女の為になることができたら…
なんて思いながら俺は花凛をそのまま抱っこしてリュウの隣で寝かせた。
「おやすみ、花凛、リュウ」
2人の頭を撫で、電気を消して俺の1日は終わった。