【うたプリ】歌い手Minori、トリップします……?
第5章 進化の予兆
その後、ごちゃごちゃしながらも昼食をとった。
林ちゃんと龍也さんは、バラエティの収録ということで現場に向かった。
つまり、今楽屋にいるのはカルナイ+僕ということだ。
貴「この後の仕事は?」
寿「レコーディングだけだよ」
貴「レコーディング?」
何か歌うってことだよね?
何の曲を?
これから新曲を出すっていうのに、一体何の曲を録るっていうのだろう。
黒「そうだ。お前が前アレンジしてくれた『QUARTET★NAIGHT』のな」
貴「…………何故に」
確かに、作曲の勉強中の課題として『QUARTET★NIGHT』のアレンジをしたことはあるよ?
でも、アレンジしたのを見せたのってその1回きりで、その後ひそかにやってたのを見せたことは………。
カ「実はこの前、早乙女に姫香が独自でやっているアレンジを見せてもらったのだ」
貴「はっ!?」
あの人、勝手に僕の部屋入ったってこと!?
何勝手に人の楽譜見てんの!?
著作権の侵害!!
美「前見せてもっらたのに比べて断然良い。それを見たボク達は、歌いたいって思った」
寿「そうそう!で、それを聞いたシャイニーさんが、レコーディングで録っちゃって発売しちゃえって!!」
……………シャイニー、一体本人の承諾なしに何やってるのかな??
………ま、もう何言っても無駄だよね。
あっ、でも、原曲を書いてくれた作曲さんの方は大丈夫なのかな?
カ「あぁ、作曲家の方は大丈夫だ」
………カミュはいつから読心術を身に付けたのかな?
声には出してないはずだし。
………あっ、魔法か。
黒「?ま、そういうこった。なんも心配すんな」
貴「………わかったよ、もう」
今更言っても遅い。
それに、あの後独断でやってたアレンジに関して怒りもせず、採用してくれたんだ。
作曲家の卵としては、これ以上に嬉しいことはないね。
プロが作った曲を更にアレンジした物を、歌い手の人に認めてもらえたのだから。
その後、皆で第一レコーディングルームに向かった。
余談だけど、レコーディングルームは全部で20個あるらしい。
多すぎと思った僕は悪くない。
そして、どんだけ金有り余ってんのよと秘かに毒づいたのだ。