【うたプリ】歌い手Minori、トリップします……?
第4章 皆との1週間
――次の日
あの後、またシャイニーさんが現れてこう言った。
「レッスンは1週間後からよろしくー!休養も立派な仕事ヨ!!」
ということで、作曲家としての勉強は1週間後からになった。
これは、シャイニーさんなりの僕への配慮だろう。
僕はこの世界に来たばっかりで、外へ出れば右も左もわからないのだから。
だから、1日交代で皆と過ごすことになった。
シャイニーさんが僕のために、1日オフを全員違う日に入れたらしい。
今日は、月宮さんとショッピング。
服とか日用品を一緒に買いに行くのだ。
ここに女子はいないけど、月宮さんなら大丈夫だろう。
こう見えて、僕は買い物は長くできる方だ。
一人で買い物となると特にそうなる、主に楽器選びで。
まあ、早く済ませたい人もいるだろうから、そういう時はその人に合わせるけどね。
ガチャ
部屋から出てリビングに向かうと、美味しそうな香りがした。
貴「おはよーございます……」
月「あらヒメちゃん、おはよう♪」
リビングにいたのは月宮さんだけ。
どうやら、他の人はもう仕事に行ったらしい。
貴「……って月宮さん、何故ここに?約束の時間までまだまだですよね?」
今日出かけるにあたって、月宮さんが僕を迎えに来ると約束したのだ。
今はまだ7:30だから、約束の時間まで後2時間30分はある。
月「久々の丸一日オフなのよ!折角だから、ヒメちゃんと一日過ごしたいって思って」
貴「この後一緒に出掛けるというのに……;;」
月「いいじゃない、別に♪」
………まあ、オフをどう過ごそうかはその人の自由。
僕がどうこう言える立場ではないか。
貴「月宮さん、朝ご飯は食べましたか?」
月「いいえ、まだよ?ヒメちゃんと一緒に食べようと思って♪」
貴「そうですか。なら、何が食べたいですか?作りますよ?」
月「いいの!?」
貴「はい」
こう見えて、僕は料理は得意な方。
父と母の両方共仕事が忙しい方なので、自然と身についた技術だ。
それに、料理ができて損という事はないはずだしね。
月「そうね~……。アップルパイが食べたいわ♪」
貴「それ朝食ですか?;;」
月「久々に食べたいの~(ムゥ」
少しばかり拗ねる月宮さんは、少し子供っぽかった。