第2章 愛しの恋人
[公園]
暗い公園に1人の男がいた
「…………んん?あらら?いつの間にやら夜だな!ここ、どこだろ?」
男は何故ここにいるのか分からなくUFOにアブダクションされたのかとぶつぶつ呟きだしたと思ったら奇行に走り出した
「忘れないうちに霊感(インスピレーション)を書き留める!ネタ帳は…あっれ、荷物がない!」
どこかに落としたのか自分の手元には荷物がなくスマホもなかった
荷物が無いという事は家に帰れなく、大道芸で稼ぐことにした
「あぁもう、おれの馬鹿!天才だけど馬鹿!次からは、荷物とかは落とさないように身体に縛りつけとこっかな?」
『あ、いた!レオ!』
突然女の声が聞こえ振り返ったら溺愛の人が走って来た
『やっと見つけたよレオ!あまり家に帰ってこないから心配したんだからね!』
「おっ、美桜!久しぶり〜☆ん?その荷物はおれの!拾ってくれたのか!」
『公園の入口に落ちてた。一応財布とかスマホあるかチェックしたよ』
「ありがとうな!大好きだ!愛してる!」
『はいはい』
レオに荷物を渡し、制服に付いた砂を払ってあげた
「あれっ、おまえよく見たら夢ノ咲学院の制服着てるな?どういうこと、うちって男子校でしょ?
でもスカートだよな?女だよな?あれれ?」
『今失礼な事言ったよね?』
「待って!言わないで!答えを急いじゃ駄目ッ、無限に広がる妄想を『来年度から夢ノ咲学院が共学になる関係で女子生徒の第一号として転校したの』なんで言うんだよ!」
レオの言葉を遮り喋ったら天才の作品が消えたと叫んだ
美桜はそんなことを気にせずレオの腕を掴み引っ張った
『それより帰るよ!明日学校に連れていくからね!』
「あれ?おれ停学中じゃなかったか?」
『英智に頼んで取り消してもらったの。来年の3月にはレオと高校生活が終わるから…少しでもレオとの高校生活の思い出を作りたくて…』
腕を掴んでいた手の力が強くなり、悲しい顔でレオを見つめた
「美桜…わかった。明日から学校に行くよ」
『ありがとう!大好きレオ!』
「おれも大好きだ!」