第2章 プロローグ
イーストブルーとある島。
この島にある一際高い丘。そこに、胸まである赤髪を風になびかせながら海を見つめる1人の女性がいた。
胸元には母からもらったネックレスが光っている。
…ママからもらった大事なネックレス。
そう、これは私。私には家族がいない。振り返りたくもない過去。夜な夜な悪夢にうなされているため、あまり寝なくなっていた。
〝お前さえいなければ!!〟
〝あんたが殺したのよ!!!〟
〝全部お前がこの世に存在しているからいけないんだ!!!〟
そんな言葉達が私の頭の中を支配していた。その反面
〝この世界を変えるのはあなたなのです!!〟
〝お前がこの世界を変えるんだ!〟
こんな言葉までもが私の頭の中を支配していた。
私がこの世界を変えるって?
何言っているのか…。私はこの世界に興味なんてない。第一、世界を変えるなんて出来るわけがない。変えられるとしても、この世界がどうなろうとどうでもいい。
そう、こんなふうに私はいつの日か他人にも環境にも世界にも全く興味がなくなっていた。
昔はこんな人間じゃなかったんだけどな…。
唯一、動物とは仲良くなれるんだけど…。
そんな事を考えていると後ろから誰かの声が聞こえてきた。