第3章 次男と浴衣
カラ松視点
懇願するような瞳が俺を捕らえている。
ほんのりと柑橘系の香りがする柔肌からは、結露のように汗がじんわりと滲んでいた。
愛おしむように肌に口づけると、子猫のような鳴き声で喘ぐ主。
なぁ、主。
俺の気持ちは届いているだろうか…。
お前の全てが愛しくて、お前の全てを独り占めしたいんだ。
手を絡ませ首筋に口づければ、繋いだ手をキュッと握り返してきた。
指の腹で主の手の甲をそうっと撫で、そちらに神経を行かせてから、首筋に自分の証を密かに付ける。
そのまま、耳の裏を舌でなぞると、主は快感に抵抗するかのように、絡ませた指の爪を立てた。
耳の穴を犯すように舌を蠢かせると、嬌声が部屋に響く。
「あっ…ん…カラ松くん…!」
「なんだ?くすぐったいか?」
耳元に唇を寄せ、低い声色で話すと、主は眉根を寄せ切なそうに声を漏らす。
「お願いっ…もう…わたしっ…あぁっ!」
耳に息を吹きかけただけで背中を仰け反らせている。
(そろそろ…限界か…)
浴衣の帯を解きはだけさせると、触れてもいない胸の先端は愛らしくキュッと縮まり、蜜口は俺を誘うかのように、男にしか分からないであろう雌の芳香を漂わせている。
「はず…かしい…!」
「…触ってないのにこんなにして…」
再び耳元で囁くと、甘い声で俺の理性を掻き消そうとする。
「…しい…」
「ん?」
「…お願い…カラ松くんが…ほしい…」
潤んだ瞳でオレを求める主。
その一言で、オレの中の眠れる獅子が目を覚ます。
こんなこと言われて冷静でいられる男など男ではない。
カ「いいだろう。たっぷり可愛がってやる」
深く口づけながら、主を抱き起こした。