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華のように 鬼のように ~ぬら孫夢小説~

第3章 神の率いる百鬼夜行


さぁっと風が吹き、紫苑の姿がリクオと同じような着流し姿になる。


総大将はその姿に目を見開くと、呆れ気味に下を向いた。



「…やっぱり、一瞬鯉伴が帰ってきたような錯覚に陥る。困ったものじゃの。…儂は幸せもんじゃ。」

総大将はそうつぶやくと、くるっと振り返り母屋へ戻って行った。



「女子を泣かせるとは、お主はまだまだじゃな。リクオ。」

去り際にそんな言葉を残して。


あとに残された紫苑とリクオ。




「うっせーな。」


紫苑は膝に顔をうずめて静かに涙を流している。桜の花びらが頭や肩につき、風が吹く度に少しだけ落ちる。

リクオはかける言葉も見つからず、そっと幾分か優しい眼差しで紫苑を見下ろす。しかし、一行に泣きやむ気配はなくどんどん、花びらが紫苑に積もっていく。


リクオはとうとう、紫苑のとなりに座ると垂れている手から写真を取った。
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