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〜bizara knabino〜【鬼灯の冷徹】

第3章 *シロ、日々勉強



″非常警報! 非常警報!″


″等活地獄より 亡者一名が逃亡!″


″直ちに全獄門を封鎖して下さい 繰り返します…″



『!!?』

突然地獄中に鳴り響く警報音、全員に一気に緊張が走った。


「様っ、亡者が逃げたと」


『その様ですね… 逃げた亡者の詳細は分かりますか?』


「いえ、自分は分かりません」


『……少し待ちましょう、情報が無い限り下手に動くのは無謀ですから』


「は、はい」



手に持っていた書類を話していた獄卒さんに渡し、ついでに飴もあげる。
ちょっと焦ったような雰囲気だったが受け取ってくれた。



『それにしても、逃亡だなんてなかなかやりますよね(笑)』



「いや、笑ってる場合じゃないと思うんですけど…」



『いえいえ、こんな時こそ心に余裕を持った方が良いんですよ(笑) きっともうすぐ…あ、ほら』


「様ぁぁぁぁぁぁっ!」




私が待っていたのがやっと来た。
遠くから男の獄卒さんが私の名前を叫びながら走ってきたのだ。



『お疲れ様です。 鬼灯様からのお使いですか?』



「はっ、はぁっ…は、はい」



『鬼灯様は何と?』



「それが、逃げたのがあの悪霊サダコでして…鬼灯様は近隣のテレビ画面をお札で封印し、ブルーレイ内蔵52型テレビを設置しろと」



『分かりました。テレビは閻魔殿から運んで下さい。お札は私が貼りましょう』




「え、ですが1人では時間がかかり過ぎませんか?」



走ってきた方の獄卒さんは「どうも意味が分からない」と言うような表情を浮かべて私を見ているため、どう説明しようか悩んでいるとずっと話を聞いていた獄卒さんが口を開いた。



「お前入社してから見た事が無いのか」



「見たって何がですか?」



『見れば分かりますよ(笑) 最初は信じられないかも知れないですけどね』



そう言いながら私は両腕を広げ、精神を集中させる。

すると、風が一切吹いていなかったのに何処からともなく突風が吹きそれと共に大量のお札が目の前に集まって来た。
ズラッと並んだ札に片手をかざし告げる。


『役目を果たしに…』


その言葉を告げた後、再び突風が吹き荒れ私の立っている場所に風の柱が出来上がる。
光に包まれたお札は風の柱に乗り四方八方へと飛んで行った。
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