• テキストサイズ

【薄桜鬼 学パロ】サクラチップス

第8章 夏の始まりと合宿と…


私はぎゅっと自分の手に力を入れると、あははは、と笑う沖田先輩の前に出て…

沖田先輩の手をとって、ぎゅっと握った。

そして、目をぎゅっとつぶってから、

「せ、先輩が擦り傷作ったら、わたしがっ…早く治りますようにって、お日様描きますから…えと…あの…か、描かせてください…ね?」


もう、最後の方は、声が小さくなってしまって、聞こえたかどうかわからないけど…

ちゃんと言えたかな。


すると、あはは、と笑っていた声はぴたりと止まって…

私に視線が注がれてるのがわかる。


手を握ってしまったし、沖田先輩はひいてしまったのかもしれない。

表情を見るのが怖くて、目をつぶったまま下を向いていた私のおでこに、



チュ



と、唇が軽く触れた。

驚いて目を開けて、目の前の沖田先輩を見れば、優しい笑顔で私を見てる。

「ありがとう」

どこか泣きそうにも見えるその表情に、何も言えないまま固まっていると、

「あはは。夢主(妹)ちゃん、真っ赤だよ。過去最高記録かな。」

なんて、沖田先輩はまたもや私をからかいはじめた。

そんな沖田先輩に、

「もう知らないっ!!!」

と、言い捨てて、私は部屋まで走った。



恥ずかしくって、悔しくって、うれしくって…顔が熱い。

沖田先輩が好き。

もういっそのこと伝えた方がいいのかな…

でも…笑われちゃったら嫌だな…


沖田先輩。

私の気持ちを伝えても、笑わないで聞いてくれますか?



キスをされたおでこが熱くて、私は眠ることができなかった。
/ 255ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp