第4章 episode２　家族になりたい

「......咲夜も、ここにいたの？」



「うん、1年前に引き取られたんだ。
僕達、もしかしたら兄妹になれるかもね！」



「......。」



＿ｺﾝｺﾝ



結月が咲夜達と話しているとドアをノックする音が聞こえてきた。



「......誰かしら？はーい、どちら様？」



「楓、私だ。」



「っ施設長！」



「入っても大丈夫かな？もうひとり、結月に客人が来ているんだ。」



「は、はい...どうぞ......」



＿ｶﾞﾁｬｯ「突然お邪魔して、すまないね(苦笑)
結月、あのお兄さんが久しぶりに来てくれたぞ。」



「なの？」



「っどうも......結月ちゃん、久しぶり。
俺のこと......覚えてっか？」



宏光は翔の後ろから出てきた。



「おにいちゃんなの......」



結月は駆け足で宏光の元に向かった。



「っ結月ちゃん......」
(俺のこと、覚えてくれてたんだ......)



「おにいちゃん、遊ぶの。」＿ｸｲｸｲ



やって来て早々結月は上着をくいくいと引っ張ってきた。



「え！ぁ、でも......」
(丁度里親候補の家族が来てんのに......汗)



「あらあら(苦笑)
......もしかして、里親候補の方はもう既に決まっていたのかしら？」



「っ違います！
まだそういう訳じゃ......」



「だが、彼が結月を引き取ってもいいっていう話が出ていてね(苦笑)」



「......梓乃、これは私達が不利かもしれんな(苦笑)」



「結月ちゃんの反応、全く違うわね(苦笑)
結月ちゃんの事を考えるなら......彼に、託したほうが幸せかもしれないわね(微笑)」



「っそんな！」
(簡単には引き取る事なんて、できねぇよ......)



「......おにいちゃん、結月の家族なの？」



「っまだ、決まってすらいないよ......
だから俺が家族とか......」



「すぐ引き取れというわけではないぞ宏光くん。
君はあくまで芸能人だから、そう簡単にいく話ではないだろう。」



「っまぁ......」



「でも、ここに通うことは苦ではないのだろ？」