藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第3章 ♡Story50♡ 転校生は不良生徒
「徹平さん......」
「......。」
「っ徹平さん、コイツを......九条を、そんなに責めないでください......
俺も一応、コイツのクラスメイトだったし......悪い奴じゃないのは確かなんです!」
「......。」
「っ陸......」
「......お前も、偽善ぶってるな。
神城......」
「っ俺、ちゃんと謝れていなかったよな......あの頃は、すまなかった。
まだ子供だったとはいえ、お前を傷つけたことに変わりはなかった......
今更許してくれだなんて言わない。ただ、謝りたかっただけだから......」
「勝手にほざいてろよ。
もう昔の俺はいない、とっくに餓鬼の頃の記憶は消したからな......」
「っくじょu.「何も知らねぇくせに......」っ......」
「何も知らねぇくせに、何も覚えていねぇくせに、知ったかぶってんじゃねぇよ。
お前は、
そうやっていろんな奴傷づけてきたんだろ。
まさに、“偽善者”だな。
虫唾が走る......」
「っ......」
百合は顔を俯かせた。
「っ......さっきから黙って見てれば!
じゃあアンタは百合の何を知っているっていうの!?」
今まで黙って見ていた美香が声を上げた。
「美香ちゃん......」
「は?」
「百合、去年だけでも大変な思いしてたんだよ?
慣れない芸能界に突然入れられて、事務所からも押されまくって、
ありもしない熱愛話とかも流されて!
他にもまだまだあった......
それで百合がどんなに迷い苦しんだか......
アンタにはわかんの?」
「......。」
「確かに百合は誰にでも優しくて、時には優しすぎるって思うときがあるよ。
でもそれは......
誰かに気に入れられたいっていう気持ちでやってるわけじゃないのよ!
アンタみたいな不良にも、こうして優しくしてれてるじゃん......
それは偽善なんかじゃない、
百合の本当の気持ちなんだよ......」