第3章 ♯2
守られて愛されて育てられた私は知らなかった。
お昼過ぎだというのにそこは暗くて、空気が淀んでいた。
人は沢山いるのに、誰もが光の篭っていない瞳をしていた。
血だらけで倒れてる人、裸同然の格好で男に声をかける女。
怒号が聞こえたと思えば誰かの歌う声も聞こえてきた。
みんなが総てを諦めているような、そんな場所だった。
初めての光景に夢中になって歩いていた私は、帰り道が分からなくなり途方に暮れていた。
いつも誰かが手を差し伸べてくれていた。
守られることに慣れ過ぎた私は、無知でしかなかった。