第27章 倣
ソファーに向かい合って座る。
俺と朱里ちゃん。
向かいに、新八と神楽。
その後ろに、定春。
暫くの沈黙のあと、新八が口を開いた。
「銀さん、アンタから説明してください」
何、この気まずい雰囲気。
今まで散々、浮気現場の仲裁依頼あったけど。
その当事者以上の、悪者みたいになってんだけど?
「説明……何を?」
「朱里さんに、ひ、膝枕、してたでしょーが」
「だって、朱里ちゃんが寝ちゃったから」
「膝枕の必要、ありますか?」
「あんじゃね?」
「……本当ですか、朱里さん?」
鋭い視線が、朱里ちゃんに向けられる。
つーか、何、この尋問。
「……私が、坂田さんに、抱きついたから」
眉根を下げて、顔を赤くして。
「ごめんなさい、坂田さん」
小さく首を傾げて、目を細める。
ちょ、可愛いんですけどォォォ。
「新八さん、ごめんなさい。私が、坂田さんを拘束してしまったのが、原因です」
「朱里さん、頭上げてください。僕は怒ってるんじゃないんです。それに、僕の方が年下なんで『さん』なんて、そんな」
新八、顔赤ェぞ。
何、喜んでんの、お前。
「ねぇ、幸せお裾分けしてヨ、銀ちゃん」
神楽の声に視線を上げれば。
新八も神楽も、表情は明るくて。
「銀さんのこと、お願いしますね、朱里さん」
「白いもじゃもじゃだけど、いいトコあるネ」
お前ら、保護者か。