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【100プリ】瞳に映して

第3章 もっと…


「なんだよ、こんな部屋に呼び出して。
気持ち悪ぃな。」

レオがシドを連れてきたのは
普段は使われない客室だった。

「そお?」

「ああ。しかも今日、俺の誕生日なんだ。
男に呼び出されるとは余計気持ち悪ぃ。」

「え?そうだったの?」

レオは白々しく返す。

「じゃあこのあと
アヤセちゃんと会うの?」

「お前に関係ねぇだろ。」

「相変わらずだなぁ。
まったく、イナサの情報教えたの
俺なんだけどな。」

「あ、そうだよ、
お前、俺に依頼があるんだろ。
手っ取り早く話せ。」

「え、あぁ、依頼ね。

そうだな……
アヤセちゃんを泣かせないこと、
かな。」

「あ?」

「まぁ仕事が大変だったのはわかるけど、
泣かせるようなら俺が奪っちゃうからね。」

「……何知ってんだ?」

怪訝そうな顔のシドをよそに
レオは笑いながらスマホを取り出して、
どこかに連絡をした。


しばらくして……


扉が静かに開き、
その隙間から顔を出したのは
アヤセだった。

「シド……」

シドは少し驚いた顔で
その顔を見つめる。

「お前……」

二人が顔を会わせるのは
あの雨の日以来。

アヤセが部屋に入ると、
続いて料理を載せたワゴンを引いた
アランも入ってきた。

「何だよ、またお前ら噛んでんのか?」

シドはやれやれとでも言った表情。

「あ、あのっシドごめんね…!」

アヤセは想いを吐き出すように謝った。

「シド、実はアヤセ、
シドのために最近の休日、
ほとんどを料理作りに当ててたんだよ。
いろいろあったみたいだけど、
許してやって。」

シドはしばらく黙るも、
まったく…とでもいう様子で
ふぅと一息つく。

「ということで、
後はちゃんとやってよね、シド。」

レオはその肩にポンと手を置くと
扉へと向かい、アランと共に部屋を後にした。


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